RE;COIL (リコイル)メンバーのarc@dmzによる日記
by T.S. Eliot
いざ回らん うちわさぼてんの周りを
うちわさぼてん うちわさぼてん
いざ回らん うちわさぼてんの周りを
五時に そう朝の五時に
思い馳せるところと
地に足つくところ
動きゆくかたちと
動きゆくもの
間に落ちるのは影
その王国 汝のものなればなり
考えつくことと
創りだすこと
投げかける思いと
受けとれる答え
間に落ちるのは影
人の生はとても長く
はち切れん思いと
はち切れし衝動
ありえることと
あること
本質と
消失
間に落ちるのは影
その王国 汝のものなればなり
汝のものなればなり
人生は
それ 汝のものなれば
かくて世の終わり来たりぬ
かくて世の終わり来たりぬ
かくて世の終わり来たりぬ
大いなる鳴動でなく 微かなるすすり泣きとともに
Here we go round the prickly pear
Prickly pear prickly pear
Here we go round the prickly pear
At five o'clock in the morning.
Between the idea
And the reality
Between the motion
And the act
Falls the ShadowFor Thine is the Kingdom
Between the conception
And the creation
Between the emotion
And the response
Falls the ShadowLife is very long
Between the desire
And the spasm
Between the potency
And the existence
Between the essence
And the descent
Falls the ShadowFor Thine is the Kingdom
For Thine is
Life is
For Thine is the
This is the way the world ends
This is the way the world ends
This is the way the world ends
Not with a bang but a whimper.
これにて「虚ろの人々」完訳。
彼方の静かなる王国へ思いを馳せ、
それでも薄明の王国で地に足をつけている。
誰が知るわけでもない微かな終わりに際し、
すでに空っぽの僕たちには託すほどの願いもない。
ときに此岸のひとみに口付けより温かみを感じられるから、
望みが望み以上の影を落とすのを待っている。
by T.S. Eliot
ここは静かの大地
ここは砂漠の地
屹立する石像たちは
またたきをやめようとする星のもと
静かの王国へ渡りし者の手より
願いを託される
彼方の静かなる王国で
一人目覚めるというのは
我らが優しさに震える
まさにその頃合いで
口付けにあたう唇が
朽ちた石へ祈りを捧げる
そのようなものだろう
This is the dead land
This is cactus land
Here the stone images
Are raised, here they receive
The supplication of a dead man's hand
Under the twinkle of a fading star.
Is it like this
In death's other kingdom
Waking alone
At the hour when we are
Trembling with tenderness
Lips that would kiss
Form prayers to broken stone.
ひとみはここにはない
ここにはひとみはない
この静寂に飲まれゆく星の谷には
我らの廃れた王国の割れた顎のごとき
この虚ろの谷には
最果ての集いの場に
我ら手探りで互いを繋ぎ
そして言葉を交わすことなく
なみなみと満ちた此岸で寄り合う
光は失われる
ひとみがまた再び現われない限り
絶え間なくありつづける星のごとく
静かなる薄明の王国にある
多弁のばらのごとく
それは空虚な者達にとって
望み以上のなにものでもない
The eyes are not here
There are no eyes here
In this valley of dying stars
In this hollow valley
This broken jaw of our lost kingdoms
In this last of meeting places
We grope together
And avoid speech
Gathered on this beach of the tumid river
Sightless, unless
The eyes reappear
As the perpetual star
Multifoliate rose
Of death's twilight kingdom
The hope only
Of empty men.
第1節の示唆的な表現が次の節で綺麗に収束する。
それにしても、英語の詩は難しい。ダンテの神曲を踏まえて書かれている、と言われても日本語圏に生きる者には親しみが沸かない。参考にしたWebサイトをいくつか挙げておく。
2007年11月の記事を全3件中1件目から計2件表示
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